XZ400にどこまで乗れるかブログ

XZ400のレストアができそうなブログです。

管理人が次に乗るバイクのおはなし3 油冷とは何か(哲学)

油冷は空冷に入るんですかね・・・冷却水無いし。でも空冷と油冷を混ぜるとGS1200SSとかに乗ってる人の類からイタ電されそうだし・・・。
ユレイハスバラシイヨキミモユレイニノッテイッショニハシロウヨ・・・・怖いなぁ。

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水冷のバンディットはGSXっぽい単眼で、コンセプトに対して厳つすぎます。個人的には前期型の1200が好きですね。そうなると、徐々に中央に目が寄ってきて最終的には単眼になるというのは、別に不思議な話ではないですね。スクリーンから延びるナメクジ線がZR-7Sと被ってるような気もしないでもない。

さて油冷ということで車体重量はお軽く出来上がっています。マァ400のXJRとかに比べればモリモリマッチョマンの変態ですが、コンパクトにできていて僕好みです。

モリモリマッチョマンの変態といえば先代のGSF1200ですが、あっちは僕の趣味ではないですね。強すぎる。タンク小さい。ハーフカウルがなんかキモイ。昔の方のディバージョンに似た感じのカウルですが、ディバージョン買うつもりでGSFを買うときっと後悔します。世界が反転します。まぁスズキのバイクはよくひっくり返るそうですが。

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正直白バイにGSFが選ばれた経緯がよくわからない。黒バイに採用されたのはバンディットになってからのモデルで、そっちは何となくわかるのですが。
白バイ仕様はライト両脇のインテークが赤色灯になり、スクリーンの下に移設されています。余計にキモイです。

ちなみにバンディットと言えば250/400のパイプフレームを連想する人が多いですが、大型バンはその辺少し控えめです。

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カウルをはがすと確かにバンディットです。GSFのよくわからないフレームと比べるとバンディットと言われても十分通用します。1250になってからは、フレームも普通のパイプフレームになりましたし、ネイキッド仕様もなくなっちゃいましたからね。

GSFの市場価格は不気味なほど高いです。こんなものが欲しい変態さんが世界中にいる証拠ですね。これも日本ではpoorな感じでしたが、海外ではたくさん売れたそうです。性能重視なあたり目に狂いはなさそうですが、お頭の方はどうでしょう。

大して、バンディットになってからは玉数も多く、値段もとってもお手頃です。ZR-7やTDMの玉数に比べたら、星の数ほど在庫があります。だからと言ってポピュラー化と言えばそうでもなく、名前が独り歩きしている割にはあまり走っているところを見ません。巷で見るのは1250ばかりです。やはりあれだけの性能を持ってして3~40万で売られているところを見ると、どっちかつーと不人気な部類に入るんですかね。

最大のネックはオイル交換の時ですね。オイルをがぶ飲みするオイル輸送機です。オイル交換委必要なオイル量は4.6L。うちの車、っていうかその辺を走っていく車のほんとんどよりもオイル入ります。あれですか、エンジンオイルとミッションオイル足したらこんなものですね。共用なんでと言い張ってみる。
ドレンは下向きですね。安心した。このオイル量で横向きについていたら、どれほどの勢いでオイルが飛び散るか、考えるだけでも恐ろしいです。

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まー僕がなんと言われようとあとは予算の都合と、どれから先にチャンスが飛んでくるからかですね。中古車は一度見たあと時間をおいてもう一回来たら、もう売れて無いってことが時たまあります。日本の人口は1億6000万くらい、僕が欲しいと思った瞬間というものは、同時に近所で誰かが欲しいと思った瞬間でもあるのです。
だから、スズキかカワサキヤマハか、どれが懐に飛び込んでくるのかは、予算よりも運の都合ですね。

ほんだ?ん?ステップワゴン作ってる会社かな?
スパーダ?ステップワゴンの事かな?
スパーダ欲しかったよ!でも当時学生の僕には任意保険が重すぎたんだ!だから250ccはすっぱりあきらめたんだ!糞が!もう怒りが腹の中でぐるぐるしている。


蛇足

ところで世の中の人は、油冷エンジンはすっかり滅びたものだと思っている人が多いんじゃないかな?バンディットの最終型でも油冷ファイナルエディションと謳って販売されていたし、油冷は過去の技術になっているんではないかと思っている人もいるだろう。それはある意味では正しい。SACSはすでに過去の技術だ。

油冷エンジンは終わったわけではない。

空冷エンジンに油冷の技術が組み込まれた結果、油冷なのか空冷なのかどっちつかずになってしまい、どちらかと言えば油冷も空冷もオイルで冷却しているよねってことで空冷エンジンがイメージとして先行し、油冷エンジンが消えたように見えているだけである。

そもそもの話、空冷エンジンはオイルで冷却している。特徴的なシリンダーヘッドフィンは、あくまでも発熱量の多い場所を冷却するための一工夫であり、必ずしもフィンは必要ではない。発熱量の多いエンジンでは、フィンだけでは冷却が追いつかないため、オイルの冷却のためオイルクーラーが装備されている。
ただ走るだけならこれで十分冷却できた。しかし、高性能化に伴い発熱量が高くなり、フィンだけでは冷却が追いつかなくなったのが事の発端。スズキのSACSという機構は、シリンダーヘッド周辺にオイルタンクを別に持ち、そこから冷却専用のオイルポンプでシリンダーの上からオイルをぶっかけることで冷却性能を高めている。
空冷か油冷化の境界線は、潤滑目的とは別の、冷却を主目的に設置された専用のオイルポンプを持つ空冷エンジンが、油冷エンジンと定義されるのだ。
もちろんシリンダーヘッドフィンでオイルは冷却できないので、非常に大型のオイルクーラーが設置される。
これが非常に効果的だったため、これ以降スズキは頑として油冷エンジンを造り続けたが、排ガス規制で姿を消した。

なぜ排ガス規制に茶々を入れられたのか。
エンジンの冷却には、シリンダーヘッドの冷却機構のほかに、燃料の気化により爆発時の温度をコントロールする燃料冷却というものがある。油冷エンジンは冷却性能が空冷のそれに比べ高いとはいえ、水冷のものよりも温度が不安定な状態にある。燃料冷却で爆発温度を最適化しようとすると、燃料を多く噴射することになり、結果として濃い混合気を燃やすことになり、排気ガスが汚くなってしまうのだ。
今ではインジェクションが普及し、必要な時に多く燃料を供給するのだが、キャブの時代は出るものは出っ放し。アクセル開度に合わせて定められた量の燃料を供給することしかできず、変化する温度変化には対応できないものであった。異常燃焼を防ぐには、常に多くの燃料を供給することしかできず、結果として排ガスが汚くなっていたというわけだ。

で、時代はインジェクション、スズキも水冷エンジンで勝負していく中、事実上の油冷エンジンを載せたバイクを開発したのは、ホンダである。

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そうだよ。CB1100だよ。カタログスペック上は空冷エンジンと書かれているが、冷却機構に工夫が入っている。

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専用のオイルポンプと、オイルクーラーから直接オイルを引き入れるバイパスを設けることで、シリンダーヘッド上部を重点的に冷却している。冷却を主目的に設置された専用のオイルポンプを持つことが油冷エンジンであると定義するならば、CB1100は紛れもない油冷エンジンを搭載したバイクなのだ。

これに対し、XJR1300は特殊なオイルラインの追加はなく、シリンダーヘッドフィンの拡大や、オイルクーラーの大型化にとどまっている。こちらは堅実な空冷エンジンとみて間違いない。

このように、油冷エンジンは消えたのではなく、空冷エンジンのより最適化された姿となって、空冷として世に広がっているのであり、消えてしまったというのは時期肖像ではないかと考えるのだ。
そして、もし消えうるのであればそれは油冷エンジンではなく、昔ながらの空冷エンジンの方なのではないだろうか。