XZ400にどこまで乗れるかブログ

XZ400のレストアができそうなブログです。

車用のエンジンオイルはバイクに入れてはいけません。では、

バイク用のエンジンオイルを車に入れてはいけません。

とは聞いたことがない
車のエンジンオイルをバイクに入れてはいけないっていうのは、みなさんご存じのはず。箇条書きにすると、
・減摩剤がたっぷりと入っており、クラッチが滑る恐れがある
・極圧添加剤がなくミッションの保護が不十分である
・粘度指数が同じでも粘度が低く、油膜の保持が十分でない可能性がある
ざっとこんな感じ。特に最近流行りの低燃費車のオイルはシャバシャバで、間違って通常の車に入れてもよくないっていう事態も出始めた。オイル自体の質は実はどちらも同等なのだが、混ぜる添加剤によって性質が変えられる。

バイクにあって、車にはない物ってなんだ。そう考えればオイルの見方が変わるはず。車には、オルタネーター、エアコン、パワステポンプ、ブレーキブースター、ウォーターポンプ。古い車だと、ファン、デストリビューターも余計にくっつく。そして忘れちゃならないトランスミッション

バイクにはありませんね!

あっお前バカだろって思ったろ!バイクにトランスミッションついて無いわけねーじゃんって思っただろ。いやついてないだろ!
全部クランクケースの中に入ってるからな。
オルタネーターも入ってんからな。
ウォーターポンプも交換面倒だろ。

まぁ近年は4スト車ばかりで、ミッション部が別のオイルで満たされていることも少なくなった。つまり、バイクのエンジンというのは、車のようにそれぞれの機能を別々の「補機」として持つのではなく、すべて一か所で済ましてしまうという構造をとっている。

スクーターはその点「補機」としてのトランスミッションを持っていて、エンジンと独立してミッションが存在する。だから、車用のエンジンオイルを入れても問題ない。トランスミッションの保護から解放されるからだ。
車のエンジンはこういったまどろこっしい問題を、それぞれの役割を補機として分散させてしまうことで、搭載スペースの増大と引き換えにエンジン自体の構造をシンプルにできる。それゆえ排気量を容易に拡大できたり、電装品を強化できたりする。バイクのようなこまごましたエンジンでは、いくらやっても発電量の増加というのは現実的ではない。

じゃあバイクのオイルを車に入れたらいいじゃん。って思うでしょ。それが今回の記事のメインテーマ。バイクのオイルを車に入れる、だ。

たぶんバイクに車のオイルを入れるよりも、はるかに問題なく動作するはずである。バイク用のエンジンオイルは、車用よりも規格が古いエンジンオイルで、単純にそう考えるならば、車にバイクのエンジンオイルを入れようが何しようが全く問題ないはずだ。

ただし、バイクのエンジンオイルは硬いです。
硬いというのは減摩剤が無い事と、極圧添加剤が入っていること。粘度指数に現れないこの違いは、レスポンスに大きくかかわるはずだ。
バイクのエンジンは、基本的に車よりはるかに高回転を回して馬力を得るように作られている。ただでさえ油膜が切れやすく、クランクシャフトの負荷も過大な非常に過酷なエンジン環境で、エンジンオイルに要求される性能も高い。だからレース用でもない限り、比較的硬めのオイルが推奨されている。

じゃあバイクのエンジンオイルで性能が高いから、車に入れたらもっと性能が良くなるんじゃね?

まぁなるんだったら、僕よりも先にこういうことしてる人がいてもおかしくない。
まず確実に言えるのはレスポンスが落ちる、これはおそらく間違いない。そもそも車用でも硬いオイルに変更するとレスポンスの変化がもっさりするのに、バイク用の高回転でも油膜が切れない!ミッションの潤滑も確実!とかいうオイルを入れたらどうなるかというと、
オイル上がりのない、圧縮の良い、クランクシャフトの潤滑も良好、とても健康的で燃費の良いエンジンになる代わりに全然回らん面白くないエンジンになる。

まあそれは、バイク用はバイク用でもレース用のエンジンオイル入れたらそりゃあレスポンスいいでしょうが、財布のレスポンスもさぞかしよくなるでしょうね。バイクの装備というのは、突き詰めたら突き詰めるほど先が見えなくなるもの。車はそういったものをある程度妥協して作られているので、エンジンオイルもそこそこに。バイクのオイル高いからな。

ただ、言うべきことがあるとすれば、極圧添加剤には主にリンが使われるのだが、これが触媒コンバーターを劣化させる可能性があるということだ。

ただ管理人はこれは正しくないと思っている。
なぜなら、バイクにも触媒コンバーターを搭載した車種が少なくないからだ。今や軽2輪から大排気量車まで、現行車種は必ず触媒コンバーターを搭載している。そんなご時世で、触媒を傷めるエンジンオイルを使っているとはいくらなんでも考えられないからだ。だから自分は、極圧添加剤が触媒コンバーターを傷めるというのは、疑問を感じるのだ。
触媒なんか取り替えたら終わりだがな!
足りないのは金だけだ。そうだろ?


ついでに言うとバイク用のエンジンオイルなら、バイクと共有できるので便利だと思う。オイル量に関して、うちのENくんが1100ml、Keiが2700ml(どちらもオイルフィルターの交換を考慮しない)なので、4L缶を買ってくるとちょうど使い切れるのだ。だから経済的にもよい。ゴミも少なくて済むし。バイク用だと樹脂ボトルの奴多いよね。あれ、あとでオイルジョッキとしても使えるし、ゴミに出すときは燃えるゴミでいいし、便利だね。

というわけでエンジンオイルの話を終わります。実際問題、車もバイクのような古い規格のほうがエンジンにとってはよいのだけれど、車は法規制がすぐ入るから、古い規格のエンジンオイルは割高で、どうせならバイク用のほうが安くつくんじゃないかと思って・・・。じぶんターボ車だし、タービンはバイクのエンジン以上に高回転になるんだから、どうせならバイク用の性能のいい硬いオイル入れたいよね。